「ワーホリで英語力を伸ばしたい」と考える方はたくさんいるはずです。特に人気の高いオーストラリア・カナダ・ニュージーランドの中からどの国を選ぶかで迷う人も多いのではないでしょうか。
そこで3カ国すべてでワーホリを経験した私が「発音・なまりの特徴」と「仕事環境での英語使用度」の2つの視点から、英語学習に最適な国を比較します。これから国選びをする人の参考になれば幸いです。
1. 発音・なまりの特徴
オーストラリア
ワーホリ人気国No.1といっても過言ではないオーストラリアですが、独特のオージーアクセントがあります。3カ国の中で最もクセを感じたのがオージーアクセントでした。
「語尾が上がるイントネーション」や「モゴモゴしたような話し方」が多いのが特徴。日本人は義務教育でアメリカ英語の発音を勉強しているので、訛りの強いオージーアクセントの聞き取りに苦労する人も多いのではないでしょうか。極端な例えをするなら、日本語を勉強した外国人がいきなり訛りの強い田舎の地域へ行くようなものです。
「それではオーストラリアは比較対象にすらならないのでは?」と思いたくなりますが、もちろん地域差があります。シドニーやメルボルンなどの大都市へ行けばそれなりにクセも弱まります。実際私がブリスベンに短期間住んでいた頃は田舎の方に住んでいた頃と比べてもだいぶ聞き取りやすく感じたのを覚えています。
私の体験談
初ワーホリで日本を発ちオーストラリアのケアンズへ向う中、私は英語に関しての不安は一切なくむしろ自信で溢れていました。洋楽が昔から好きで高校時代の全国共通テストではノー勉で1問ミス。到着早々楽しく会話する想像しかしていませんでした。が、現実をくらいました。「到着地してから一番はじめにやることはカフェに行ってとりあえずゆっくりすること」と決めていたので見つけたカフェへ行き注文へ。メニュー表のフード名に書いてある英語を読みそれがほしいことを伝えるとオージーの店員さんから「xxxxxx egg xxxxx?」
英語か?と思いました。唯一聞き取れたのは「egg」のみ。とりあえず「ノーマルエッグプリーズ」と言って出てきた目玉焼きを虚空を見つめながら食べたのが私のワーホリ旅の始まりでした。
カナダ
北米標準の発音でクリア。日本人が勉強してきたアメリカ英語の発音と近いので、英語学習初心者にとって聞き取りやすい。また現地のカナディアンによると「カナダ英語はアメリカ英語よりもしっかり丁寧に発音する」とのこと。実際私自身もカナダでの1年のワーホリを終えた後にニュージーランドへ行き、そこでアメリカ人の一人と仲良くなったのですが違いを感じることができました。アメリカ英語と比べてもかなりクリアに話す英語なので、初心者の方にも聞き取りやすいかと思います。「なんで義務教育のリスニングはカナダ英語じゃないんだろう」と思ったくらいです。
ニュージーランド
Kiwi アクセントと呼ばれる訛りがあります。個人的にはオージーアクセントほど聞き取りにくいことはありませんでした。しかしやはりアメリカ英語のみ学習してきた方にとっては少し聞き取りづらいアクセントに感じるかもしれません。例えば先の私のオーストラリアでの体験談で挙げた「egg」ですが、Kiwiの方々は「エッグ」ではなく「イッグ」と発音します。アメリカ英語では時折「エ」と発音する「E」をKiwiの方々はほとんどの場合で「イ」と発音します。
「レッツゴーニクスト」と言われた時は、「ニクストという場所があるのか」としばらくの間勘違いしていたのを思い出します。
ここからはワーキングホリデーの仕事と英語環境について触れていきます。オーストラリアとニュージーランドはかなり似ているため、まとめて紹介します。理解しやすいように、メリットとデメリットの両面から整理して解説していきます。
2. ワーホリの仕事と英語環境
オーストラリア・ニュージーランド
メリット
ファームジョブが豊富で多国籍の仲間と気軽に英語でコミュニケーションできる。
おそらくここが一番おおきなメリットになるかと思います。オーストラリアやニュージーランドではファームジョブと呼ばれる農場系のお仕事の募集が盛んで英語のスキルがそこまで求められないため、英語が苦手な方でも採用されやすいです。
加えて両国ともワーキングホリデー対象国として有名なので、英語を第一言語としない国々から来る人も多くファームジョブはそういった人々と交流できる場になります。
ポイントは英語を第二言語とする方々と交流ができるため、相手の話すスピードがゆっくりであったり使用する単語が簡単なものであるなど、英語初心者が英語でコミュニケーションを取りやすいというところです。相手も英語が第二言語であるため、こちらが初心者だったとしてもその苦労を理解してくれて、しっかり聞く姿勢をとってもらえるのも嬉しいポイントです。
デメリット
ネイティブと関わる機会は少なめ。
もちろんこれは働く場所や状況、生活圏でかなり変わってくる話ではあります。しかし上述したように両国はワーキングホリデー対象国としてかなり人気なので、どの職場においても必然的に英語を第二言語とする人々と関わる機会が多くなります。ファームやミートファクトリーなど大規模に労働者を雇う仕事はたしかに英語初心者にとって障壁が低いです。しかしそういった職場では「現地のネイティブが最初に軽く指示を出し、ノンネイティブの労働者たちがその中でコミュニケーションを取り仕事を進めていく」という形態がほとんどです。結果、ノンネイティブとの交流が主になっていきます。
ただ出会いを求める旅としてのワーホリであればそれでも良いかもしれませんが、英語学習に重きを置くとなるとやはりネイティブスピーカーとの関わりの頻度は無視できません。
私自身一番英語が伸びたと感じたのはやはりネイティブスピーカーとの交流が増えてからでした。別の記事で紹介予定ですが、ネイティブスピーカーと過ごす6ヶ月とノンネイティブと過ごす6ヶ月とでは英語の上達に違いが出ます。
カナダ
メリット
カフェやレストランなど接客業が中心。英語を使わざるを得ない環境が多い。
カナダにもファームなど大規模に募集をかける仕事はありますがオーストラリアやニュージーランドほど盛んではありません。代わりにレストランやカフェなどの接客業中心の募集が多く、ファームジョブと比べても圧倒的にネイティブスピーカーと関わる機会が多くなります。
デメリット
採用時点である程度の英語力が求められる。英語が苦手な人はハードルが高い。
ネイティブスピーカーとの関わりが多く英語上達が期待できる環境ですが、その分採用時にある程度の英語でのコミュニケーション能力を求められる傾向があります。もちろん英検1級やTOEIC900点のような高いレベルは必要ありません。ただし、同僚からの指示を理解したり、お客さんに説明したりできる最低限の英語力は求められます。
まとめ
- オーストラリア・ニュージーランドはワーホリ初心者でも仕事を得やすく、多国籍の仲間と楽しく英語を使える環境。ただしネイティブ英語に触れる機会は少なめ。機会があったとしても訛りが強く最初の頃は苦戦する可能性も。
 - カナダは、英語力をしっかり鍛えたい人向け。接客業で英語を使わざるを得ない環境に飛び込めるが、最初のハードルは高い。
 
結論として
「英語初心者でまず挑戦したい」ならオーストラリアやニュージーランド。
「本気で英語力を伸ばしたい」ならカナダがおすすめ。
最後に強調したいのは、どの国でも「自分がどれだけ英語を使おうとするか」が一番大事ということです。積極的にネイティブスピーカーとコミュニケーションが取れる場を見つけたり自ら赴いたりすることで結果はいくらでも変わってきます。
3カ国を経験した私が言えるのは「国選びはスタート地点にすぎない」ということです。
ワーホリで英語力を伸ばしたい方にとって、本記事が国選びの参考になれば幸いです。
  
  
  
  
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