【体験談あり】オーストラリアのファーム生活|実際に働いて感じたメリットとデメリット

仕事

ワーホリでオーストラリアに行くと、ほとんどの人が耳にするのが「ファームジョブ(農場での仕事)」。「稼げるの?」「きつい?」「セカンドビザが取れるって本当?」と気になっている方も多いと思います。

実際に僕もファームで生活し、良い部分も厳しい部分も両方を体験しました。世界中の人と出会えたことはかけがえのない財産になりましたが、同時に「こんな落とし穴があるのか」と驚いたこともあります。

この記事では、オーストラリアのファーム生活のメリットとデメリットを、実体験を交えて解説します。これからワーホリでファームに挑戦しようとしている方は、ぜひ参考にしてください。

メリット

いろんな国の人と関わることができる

オーストラリアのファーム生活で最も大きな魅力のひとつは、多国籍な仲間達と一緒に働けることです。個人的にはここが最大の魅力だと思います。ワーホリメーカーはヨーロッパ、南米、アジアなど本当にさまざまな国から集まっていて、日本にいたらなかなか出会えないバックグラウンドの人達と仕事を通して自然に交流することができます。

僕自身、オーストラリアのいちごファームで働いた時は、韓国、台湾、フランス、イタリア、ドイツなど、多様な仲間に囲まれていました。仕事中の会話だけでなく、休憩中にお互いの文化について話したり、シェアハウスで一緒に遊んだり、休日に一緒にご飯を作ったり旅行に行ったりと、ただ働くだけでなく国際交流の機会が自然と訪れるのがファームの大きな魅力です。英語に関して言えば「お互いに第二言語として英語を使う環境」だったので安心感がありました。

また、ファームでは仕事終わりや週末に大人数で一つのシェアハウスに集まり、国ごとの料理を振る舞い合うこともありました。本場の韓国料理、本場のイタリア料理を味わうことができ、台湾特製の醤油の作り方も教えてもらったりしました。「今度はうちの国の料理を食べに来て」とドイツ人の子に誘われ、本場のドイツのお菓子も経験できました。そうした文化交流を通じて友情が広がっていく瞬間をたくさん体験しました。今でもファームで知り合った様々な国の友人とSNSを通じてやり取りをする機会があります。

このように、オーストラリアのファーム生活は単なるアルバイト以上の価値を持っています。多国籍の環境で働く経験そのものが、英語学習にも人間関係にも、そして異文化への理解にも大きなプラスになるのです。「異文化交流をしたい」「世界中に友達を作りたい」という人には、ファームは最高の環境だと個人的には思います。

セカンドビザ申請資格に繋がる

オーストラリアのファームジョブを選ぶ大きな理由のひとつが、セカンドワーホリビザ(2年目)申請の条件を満たせることです。

セカンドワーホリビザとは、オーストラリアで1年目のワーキングホリデーを終えた後、ファームなど指定された仕事を一定期間(88日)行なったことを証明をすると、さらに1年間滞在できるビザのことです。つまり、最大で2年間オーストラリアに滞在できるチャンスになります。

セカンドビザを取るためには、「Specified Work(指定された仕事)」を3か月=88日以上こなすことが必要になります。この「指定された仕事」には、ファームでの果物や野菜の収穫・パッキング、畜産関連の仕事、林業、漁業などが含まれていて、いずれも**都市部ではなく地方(Regional Australia)で行う必要があります。セカンドビザを狙う人にとってファーム生活はほぼ必須ルートといえるでしょう。

さらに現在は、セカンドビザ期間中に 6か月(180日)の指定仕事をこなせば「サードビザ(3年目)」 の申請資格も得られる制度があります。つまり、ファームやミートファクトリーなどで条件を満たす仕事を続ければ、最長で3年間オーストラリアに滞在することも可能です。

ただし注意点として、全て正規の労働条件で働く必要があるということ。給料が最低賃金を下回っていたり、現金払い(キャッシュジョブ)などで雇用契約が曖昧な場合は、移民局に証明できずカウントされないリスクがあります。必ずペイスリップ(給料明細)等を受け取り、日数をきちんと管理しておくことが大切です。

私はいろんな国でワーホリを体験する予定だったので、セカンドビザの申請は必要ありませんでしたが、もしもの状況に備えてペイスリップだけは確実にもらうことを意識していました。

注: 制度は変更されることがあるため、申請前には必ず最新の公式情報を確認してください。

Visa options for workers in agriculture

すぐに働ける

オーストラリアのファームジョブの大きなメリットのひとつは、仕事が常に豊富にあり、すぐに働けるチャンスがあるということです。ファームジョブでは人員の入れ替わりが激しく慢性的に人手不足のため、求人が途切れることはほとんどありません。昨日一緒にいつも通り働いていた子が突然見かけなくなったなんてことはしょっちゅうありました。都市部のカフェやレストランのように面接で落とされるリスクが少ない、もしくは面接がない場合があり、比較的スムーズに仕事をスタートできます。

僕がオーストラリアに到着したときも、ファームの仕事を早めに見つけられたおかげで出費を抑えながら生活を立ち上げることができたのをよく覚えています。当時私は、今思い返すと無謀に近いとも思えるほど少ない所持金額で日本からオーストラリアへ向かいました。その後のオーストラリアでの生活の基盤を作ることができたのは、ファームジョブに即採用され、働き始められたことが大きいです。周りの友人たちの中にも「最初からファームに入って良かった」という声は多く、特に渡航直後に資金に余裕がない人にとっては心強い選択肢です。

また、ファームは雇用までのスピード感が早いのも特徴です。場合によっては問い合わせの翌日から働けることもあり、「とにかく早く仕事を始めたい」という人にとっては理想的な環境だと言えます。私は雇用主に連絡を取った3日後から働き始めることができました。都市部の仕事は履歴書提出や面接、採用連絡まで数週間かかることもありますが、ファームでは「すぐ来れるならOK」というケースが多いのです。

ただし、すぐに働けるからといって安心しきるのは危険です。中には条件の悪い「悪徳ファーム」も存在し、給料が最低賃金を下回っていたり、休憩時間が異常に短かったりするケースもあります。求人に応募する際はできる限り口コミを調べたり、同じ地域にいる他のワーホリ仲間に情報を聞いてから決めることをおすすめします。

それでも、総合的に見れば「すぐに働ける」というのは大きなメリットです。資金を節約しつつ生活を安定させられるうえ、現地に到着したばかりの不安を和らげてくれる安心感にもつながります。ファームジョブは「とりあえずスタート地点」として最適な環境だと思います。

デメリット

悪徳ファームが多い

上記で軽く触れましたが、オーストラリアのファームジョブには「悪徳ファーム」と呼ばれる問題のある雇用主が少なからず存在します。こうしたファームでは、給料が最低賃金を下回る賃金が現金払いで記録が残らない(キャッシュジョブ)不当に高い家賃を請求されるといったトラブルが多発しています。例えば私の知人のケースでは「セカンドビザ用の証明書を発行する」と言われて契約したのに、いざ申請の段階になってみると記録が不十分でビザ申請に使えなかったというトラブルもありました。働いた日数がカウントされないと、セカンドビザを狙っていた人にとっては大打撃です。

悪徳ファームのもうひとつの典型的な手口は、住居と仕事をセットにするケースです。一見「仕事と家が同時に見つかって便利」と思えますが、相場よりも高額な家賃を請求され、実質的に賃金がほとんど残らない…という状況に追い込まれることがあります。私も過去にシェアルームで週120ドルの家賃を払い、給与の半分以上が生活費に消えてしまった経験があります。そこはまさに住居と仕事をセットにするケースに該当するところでした。とはいっても6ヶ月そこで楽しく暮らしましたが(笑)

こうした悪徳ファームを避けるためには、以下のような対策が有効です:

  • 必ず口コミを調べる(Facebookグループや日本人コミュニティ)
  • 必ず雇用契約やペイスリップを受け取る
  • 「セカンドビザ保証」と大きくアピールしている求人は疑ってかかる

もちろん、すべてのファームが悪いわけではありません。しっかりとした雇用主のもとで働けば、給料もきちんと支払われ、安心して仕事に集中できます。ただ、「良いファーム」と「悪徳ファーム」の差が極端に大きいのが現実なので、特に初めてファームで働く人はリスクを理解した上で慎重に選ぶ必要があります。補足ですが、オーストラリア西側の地域は東側地域よりも悪徳ファームが少ない傾向がありました。参考までに覚えておくと良いでしょう。

思ったよりも稼げない

ファームジョブは「簡単に稼げる」と思われがちですが、実際に働いてみると思ったほど収入が伸びないケースも多いです。特に歩合制のファームでは、働き方や体力次第で大きく収入が変わり、慣れていない初心者は最低賃金を下回ってしまうこともあります。

私自身、いちごのピッキングでは「1日100ドル以上稼げる!」と聞いて期待していましたが、現実は違いました。週で200ドルいけばいい方でした。

さらに、ファームジョブは天候にも左右されます。雨の日は作業がキャンセルになることも多く、予定通りに働けず収入が不安定になりがちです。特にフルタイムで働ける都市部の仕事に比べると、安定性は低いと言わざるを得ません。

また、仮に稼げたとしても、生活費の高さが収入を圧迫します。ファームの多くは地方にあるため、雇用主が提供する宿泊施設に住むケースが多いのですが、ここで相場より高い家賃を取られることもあります。

「ファームでガッツリ稼げる!」というイメージを持って来る人も多いですが、実際には体力・スピード・天候・雇用主の条件によって大きく変動します。安定した収入を得たいなら、歩合制よりも時給制の仕事を探すのがいいでしょう。

総じて言えるのは、「ファームは稼ぐための仕事」ではなく、「ビザ取得や経験値を積むための仕事」として捉えた方が失望が少ない、ということです。

まとめ

オーストラリアのファーム生活には、国際交流やセカンドビザの取得、入国後すぐに働けるといった大きなメリットがあります。

一方で、悪徳ファームの存在や、思ったほど稼げないケースがあるという現実も無視できません。

僕自身の経験から言えるのは、ファーム生活は「稼ぐ」こと以上に、出会いや体験そのものに価値があるということです。世界中の人たちと一緒に働き、時には苦労しながらも助け合う毎日は、何物にも代えがたい思い出になります。

結論としては

  • セカンドビザを取りたい人
  • 異文化交流を楽しみたい人
  • 早く仕事を見つけて収入を得たい人

にはおすすめできます。

逆に、効率的にお金を稼ぎたい人労働環境に強いこだわりがある人には向かないかもしれません。

どちらにしても、事前に情報を集め、信頼できるファームを選ぶことが成功のカギになります。

ここまで読んでくださりありがとうございます。この記事が少しでも参考になったら嬉しいです。他の記事でもワーホリの体験談や役立つ情報をまとめているので、ぜひあわせてチェックしてみてください!

👉 英語が苦手でも大丈夫!ワーホリで友達を作るために大切な3つのこと

👉 【3カ国経験者が伝える】ワーホリの仕事探しガイド|オーストラリア・カナダ・NZで実際に使った方法

コメント

タイトルとURLをコピーしました