「文法はわかるのに、会話になると英語が出てこない…」
そんな悩みを抱える人は少なくありません。私自身も最初のワーキングホリデーでは、話そうとするほど頭が真っ白になり、短い返答しかできませんでした。
ところが、カナダ・ハリファックスで“あるシンプルな習慣”を続けたところ、半年後には「英語を話そう」と意識せずとも自然に言葉が出るように。アメリカ人から「英語がうまいね」と言われたり、「カナダっぽいアクセントだね」と指摘されるまでになりました。
本記事では、英語が口から出てこない原因と、私が実際に効果を感じた英語がスラスラ出てくるようになる練習法、そして上達の決め手となったマインドセットまで、体験ベースでわかりやすく解説します。
なぜ英語が口から出てこないのか?(原因の整理)

英語が話せない理由は、必ずしも「文法を知らないから」だけではありません。多くの人は中学英語の知識を持っていますが、それでも言葉が出てこないのは次の要因が重なっているからです。
日本語→英語の逐次変換に時間がかかる
私もワーホリ初期は、相手の英語をいったん日本語に置き換え、そこから英語に組み立て直して返していました。会話は待ってくれないので、その間に話題が進み、うまく返せず終了…ということが何度も。“頭の中の翻訳時間”が長いことが最大のブレーキになります。
「正しく話そう」としすぎる
「文法ミスが怖い」「正しく発音しなくては」――完璧主義は、発話の第一歩を妨げます。実際の会話は多少の文法の揺れや言い直しが前提。「伝える」ことを優先しない限り、口はなかなかスムーズに動きません。
アウトプット(発話)量が単純に足りない
リスニングや単語暗記ばかりで、「声に出す」機会が不足していると、知識はあっても反射的に言えません。英語はスキル。声に出す反復がないと、いつまでたっても“使える英語”にならないのです。
英語が出てこない人に効果的な3つの練習法

英語が口から出てこなかった私が最も効果を感じたのは、「瞬間英作文」×「洋画のセリフ暗記」×「英語メモ習慣」 の3つを組み合わせた方法です。
どれも特別な教材を必要とせず、ワーホリ中でも日本にいても、日常生活の中で自然に取り入れられる学習法です。
瞬間英作文 ― 頭で考える前に口を動かす
英語が出てこない最大の原因は、「話す瞬発力」が不足していること。その筋肉を鍛えるのが「瞬間英作文」です。
たとえば日本語で「今日は疲れたな」と思ったら、すぐに
“I’m so tired today.”
と口に出してみる。
ポイントは「正確さよりスピード」。考えるより先に口を動かすことを習慣にすると、文法の型を瞬時に引き出せるようになります。
私もワーホリ初期は頭で考えすぎて口が止まっていましたが、この練習を2週間ほど続けたころから、「あれ? 前より言葉が出てきやすい」と感じ始めました。
洋画のセリフを覚える ― 自然な英語の“使い方”を身につける
次に取り入れたのが、洋画のセリフを覚える学習法です。
この方法の最大の魅力は、「どんな場面でどんな言い回しを使えばいいか」が明確に分かること。つまり、“状況ごとに使える生きた英語”が身につきます。
オーストラリアのファームで出会った韓国人の友人は、英語がとても流暢で、ネイティブのような自然な言い回しをしていました。どう勉強しているのか聞くと、「洋画の好きなシーンを何度も聞いて、セリフをそのまま覚えてる」と教えてくれました。
たとえば『Friends』などの会話シーンを使い、“Are you kidding me?” や “That makes sense.” のようなフレーズをイントネーションごと真似して声に出す練習をしていたそうです。
私も実際に試してみると、教科書では学べない「リアルな口調」や「感情のこもった言い方」が自然に身につき、ネイティブとの会話でもテンポが合うようになりました。
ポイントは、一度に多く覚えようとせず、1日1シーンに集中すること。そのシーンのセリフを「聞く→真似する→自分の言葉として使ってみる」の3ステップで繰り返すだけで、実際の会話でもスッと使えるようになります。
洋画学習は“英語を勉強する”というより、“英語の感覚を身につける”練習。ネイティブの使うリズム・感情・間の取り方をそのまま吸収できる、最も実践的な方法です。
英語メモ習慣 ― “実際に出会った英語”を使う
そして、私が一番効果を感じたのが 英語メモ習慣 です。カナダの整備工場で働いていた頃、毎日仕事中に気になった英語を小さなメモ帳に書き留めていました。
たとえば:
“The tire is wobbling.”(タイヤがぐらついている)
“Down further.”(もう少し下げて)
こうした “現場で使われる英語” は教科書には出てきません。だからこそ、生きた英語として記録する価値があります。
帰りのバスではそのメモを見返して意味を調べ、翌日同じ場面が来たときに 実際に使ってみる。このサイクルを続けるうちに、自然と英語が口から出るようになりました。
英語が自然に出てきた瞬間と上達の決め手になった考え方

カナダでこれらの練習法を続けて、約半年が経ったころ。ある日、同僚との何気ない会話の中でふと気づきました。
「そんなに頭で考えずに英語が出てる」
以前は頭の中で文を組み立ててから話していましたが、この頃から「英語を話す」というよりも「反射的に出る」感覚が掴めてきました。
「正しく話そう」を手放したら、英語がスラスラ出てきた
ワーホリ初期の私は、いつも「正しい文法で話さなきゃ」と構えていました。でもそのたびに、頭の中で文章を組み立てる時間が生まれ、会話がワンテンポ遅れてしまっていたんです。
そんなある日ふと気づきました。
「ネイティブだって、完璧な文法で話してるわけじゃない。」
振り返ってみて欲しいのですが、みなさんは今日話した日本語の中で文法的にメチャクチャだったものはいくつありますか?おそらくそれなりにあったと思います。文法や使う単語が多少適切でなかったとしても、伝えたいことが伝われば会話は進みます。もしも相手がわかっていなければ質問してくるでしょうし、自分も補足します。そうやって会話は成立しており、それが会話の「日常」であり「実情」です。
それに気づいてからは多少間違っても気にせず、思いついた言葉をそのまま口に出すようにしました。
すると、頭の中で英文を“考える時間”が消え、代わりに自然なテンポで言葉が出てくるようになったのです。
某有名な漫画にもある「疑わないことが強さだ」や、「Doubt Kills」(疑う心が事を台無しにする)という名言があったりします。「この言い回しは合っているかな?」「文法的に正しいかな?」と疑い続けてはいつまでも前に進めません。あるシチェーションにあったベストな言葉など存在しないので、深く考えすぎずに発言しましょう。
日本語でも、私たちは文法を意識して話してはいません。英語も同じ。伝えることに集中する方が、結果的に正確で自然になります。
「聞いた英語を繰り返す」ことで定着が加速した
もう一つ、効果を感じたのが「リピート学習」。相手の言葉をそのまま繰り返して確認するだけのシンプルな方法です。
例えば職場で上司が「This is how we put the tire」と言ったら、私はすぐに「Ok, this is how we put the tire」と口に出して復唱していました。
この“即リピート”を続けることで、聞いた英語が一瞬で自分の中に取り込まれ、次の会話で自然に出てくるようになりました。
相手からも「ちゃんと理解してるね」と信頼を得られ、学習+コミュニケーションの一石二鳥の効果があります。
英語脳に切り替わりつつあるサイン
脳が英語脳に切り替わるサインは人それぞれあると思いますが、私の場合は「夢の中でも英語を話していた」でした。
習慣を続けていたある日、夢の中で職場のボス(なぜか全裸で湖に立っていた)を見て、同僚と「Why is he naked!?」と岸から笑い合っていたことがありました。このとき、「英語が自分の思考の中に溶け込んできた」と感じたのを今でも覚えています。
まさに“英語脳”に切り替わった瞬間でした。
英会話がスムーズになって得た事
英語が「勉強」から「楽しみ」に変わりました。カナダ滞在後、ニュージーランドへ渡る際に、飛行機の中で席が隣になったアメリカ人老夫婦から「君の英語、かなり自然だね」と褒められました。なによりネイティブスピーカーに褒めてもらったことが嬉しく、とても大きな自信になりました。
自分でも以前よりも感情やニュアンスまで伝えられるようになっているのを実感できて、会話そのものが楽しくなっていました。
それまでは「英語を上達させるため」に話していたのが、いつの間にか「英語で話すのが楽しいから話す」に変わっていたのです。
ポイントまとめ
- 「正しく話そう」をやめる
 - 聞いた英語をすぐに繰り返す
 - 学んだ英語を次の日に“使ってみる”
 
たったこれだけでも、英語の出てくるスピードは驚くほど変わります。英語は才能ではなく“慣れ”です。「話せない」は「まだ慣れていない」だけ。
焦らず、毎日少しずつ口に出す習慣を積み重ねていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
下記の記事では「もっと英語を伸ばしたいけど、どの国で学ぶのがいい?」という方へ向けて私が実際に3カ国でワーホリを経験して感じた、【英語学習に最適な国】を詳しく比較しました。ご興味があればこちらもぜひどうぞ。
  
  
  
  


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