
オーストラリアのファームジョブの中でも人気の高い仕事のひとつが「いちごファームジョブ」です。求人サイトなどで一度は見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。「いちごファームってどんな仕事?」「どの時期に始めるのがいいの?」と疑問に思っている方も多いと思います。ファームジョブは季節によって作業内容や稼ぎやすさが変わるため、「自分の目的に合った時期に始めること」 がとても大切です。
この記事では、私が2月から8月にかけて実際に働いたいちごファームでの全工程を、「仕事内容」「時期」「稼ぎやすさ」「体験談」を交えて詳しく紹介します。これからいちごファームで働いてみたい方やどんな仕事か気になっている方の参考になれば嬉しいです。
※この記事で紹介する報酬額や作業内容は、ファームの方針や雇用主との条件、個人のスキルによって異なります。あくまで一例として参考程度にご覧ください。
ディギング(Digging)
2〜3月頃に行われる、いちご畑の畝(うね)を作る作業です。1人あたりおよそ20mほどの畝を担当し、1ラインあたり約15ドルの報酬が支払われます。
スコップで土を掘り起こし、手作業で固めて形を整えていくため、かなりの体力仕事です。
畝が完成したら、畑でよく見かける黒いビニールシートをかぶせ、後に苗を植えるための穴を等間隔で開けていきます。
オーストラリアの2〜3月は夏の終わりにあたるため、気温はかなり高め。土を扱う作業のため軍手は必須です。さらに、砂埃が舞うので頭巾やハンカチで口元を覆う人も多く見かけました。
作業は早朝から始まり、昼過ぎには終わることがほとんどです。1日で2〜3ライン(約30〜45ドル)を仕上げ、週3〜4日ほど仕事が入ります。つまり、週あたり120〜180ドル程度の収入になります。
私の働いていたファームではこの時期はまだ少人数で、全員合わせても10〜20人ほど。作業後、トラックの荷台に乗ってみんなで帰る時間が気持ちよかったのを覚えています。
プランティング(Planting)
3月〜5月初めに行われる工程で、作った畝にいちごの苗を植えていきます。「スーパーバイザー」と呼ばれる監督がトラックでダンボールを運んできて、その中にびっしりと苗が詰まっています。
ダンボール1箱を植え終えるごとに30〜35ドルの報酬。ここでは体力とスピードがすべてで、処理できる箱数にかなり個人差が出ます。正直に言うと、この作業がいちごファームの中で最もきつかったです。早朝6時半ごろから昼過ぎまで、中腰でひたすら苗を植えるという過酷な作業。中には腰を痛めて母国へ帰ってしまった仲間もいました。
その一方で、プランティングは最も稼げる工程でもあります。一般的な人でも1日5箱(=日給約150ドル)はこなせますし、早い人だと10箱(=約300ドル)以上捌く人もいました。
ただし、毎日仕事があるわけではなく、週3〜4日勤務+天候次第です。雨の日は作業中止、翌日はぬかるんだ畑で作業することもあるので、K-martなどで長靴を購入しておくと安心です。
体力的にはハードですが、筋力はそれほど必要ないので女性ワーカーも多く働いていました。「ファームでしっかり稼ぎたい」と考えている人には、この時期のプランティングから参入するのがおすすめです。
カッティング(Cutting)
5月初め〜5月終わりごろに行われる工程です。苗がある程度育ってきた段階で、余分な枝をハサミのような道具で**剪定(カット)**していきます。
1ラインあたりの報酬は10〜15ドルで、一般的な人なら1日5ラインほど仕上げることができます。作業は早朝6時半ごろに始まり、昼前には終わることが多く、比較的短時間で終わる工程です。この時期は天候に左右されにくく、ほぼ毎日仕事がありました。
プランティングほどハードではありませんが、長時間中腰での作業が続くため腰が痛くなります。また、いちごの実がなる枝を切らないように注意が必要です。私のいたファームでは複数のスーパーバイザーが巡回しており、間違えて実のつく枝をカットした人は厳しく注意されていました。何度も同じミスを繰り返した人は実際にファイアー(クビ)されていたので、本当に気をつけましょう。
カッティングが始まる前には、どの枝を切ってはいけないかなどの説明があります。初めてでも、指示をしっかり聞いていれば問題なく作業できます。
ピッキング(Picking)
6月から冬の終わり(9月頃)まで行われる工程で、いちごファームの仕事の中で最も有名な作業です。
ピッキングはその名の通り、熟したいちごの果実を収穫していきます。作業では「トローリー」と呼ばれる、鉄パイプでできた車輪付きの座席が支給されます。さらに、いちごを入れるためのカゴを複数渡され、1ケースあたり約2ドルの報酬がもらえます。
下の写真は実際の「トローリー」といちご用のカゴです。

普通のペースでも1日30ケースほど収穫でき、日給はおよそ60ドル前後。人によっては倍のスピードで稼ぐ人もいます。作業時間は朝6時半ごろから昼過ぎまで、遅い日は午後3時ごろまで続くことも。週4〜5日ほど仕事があり、比較的安定した収入が得られます。
この工程は体力的にはそこまできつくありませんが、スピードと正確さが求められます。赤く熟していないいちごを多く混ぜると、そのケースはカウントされないか、最悪の場合クビになることもあるので注意しましょう。
まとめ
いちごファームの仕事は、季節や工程によって仕事内容も大きく変わります。
体力を使う作業が多く、決して楽ではありませんが、自然の中で働く爽快感や、多国籍の仲間たちとの出会いなど、貴重な経験が得られます。
「異なる国の人たちと一緒に働いてみたい」「オーストラリアらしい自然の中で生活してみたい」そんな方にとって、いちごファームは挑戦する価値のある環境です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回はいちごファームのリアルな仕事内容を紹介しましたが、ファーム生活全体のメリット・デメリットも知っておくと、よりイメージが掴めると思います。ご興味のある方はこちらもどうぞ👇
  
  
  
  


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